不妊治療の知識

11月のおはな

胚培養スタッフより

胚培養スタッフより

当院胚培養スタッフからお届けするコラムです。一般の治療ではなかなか見えにくい部分をお届けしています。

バーコードによる取り違え防止システムについて(2016年12月)

以前にも「当院における精子、卵子、受精卵取り違い防止対策について」という、培養士コラムを掲載しておりましたが、当院では、患者様からお預かりした大切な精子、卵子、受精卵の取り違えを100%防止するシステムの構築を行っております。
培養室での具体的な取り違え防止対策は、以下のように行っております。
1.培養室の組織化及びラボスタッフの業務分担を明確にする
2.情報を共有する(院内LAN連絡システム)
3.作業に際しては声に出し確認を行う(シングルチェック)
4.作業ステップ毎にダブルチェック体制を敷く
上記4のダブルチェック体制に加え、2014年9月よりすべての培養業務において、電子ラボカルテに設けた2次元バーコードと精子チューブや培養Dish、更に凍結時に使用するストローなどにバーコードを貼付し、本人確認照合を行っています。全ての照合は専用システム内に記録として残しており、いつ、誰が、どこで、どの操作の照合をしたか容易に確認することができます。
【採卵・移植時における照合】
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採卵や移植時、患者様にバーコードが印字されたリストバンドを付けて頂きます。
バーコード照合用ハンディターミナルを用い、手術室に設置されている電子カルテと患者様のリストバンドの照合を行い、OPE室にてご本人様確認のための照合を行います。
【精子調整時における照合】
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精子調整時では、お預かりした精液カップや調整に用いる精子調整チューブにバーコードラベルを貼付し、ダブルチェック体制による確認を行った後、照合確認を行っています。
【卵・受精卵の培養時における照合】
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卵・受精卵は、培養Dishという小さな容器の中で培養されています。
それぞれの培養Dish全てにバーコードラベルを貼付し、ダブルチェック体制に加え、培養室に設置した電子ラボカルテの二次元バーコードとDishを照合確認します。
【凍結時における照合】
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凍結・融解時にもダブルチェック体制に加え、培養Dishは勿論、精子、卵子、受精卵を保管する凍結タンク内の全てのストローにバーコードを貼付し、凍結管理システムにて管理を行っています。
バーコード認証システムによる管理体制を導入したことで、従来の人によるダブルチェックに加え、安全性を強化することができ、安心した治療を提供できるようになりました。
精子や卵子の取り違えを心配されている方々にも安心して治療を受けて頂けます。
今後も安心・安全かつ、質の高い胚培養を提供できるように努力していきます。
培養部門 向井美紗