不妊治療の知識

11月のおはな

胚培養スタッフより

胚培養スタッフより

当院胚培養スタッフからお届けするコラムです。一般の治療ではなかなか見えにくい部分をお届けしています。

低反応レベルレーザー治療(LLLT)って何?(2016年11月)

1)LLLTというのはどのようなものでしょうか?
レーザーは大きく分けるとHigh Level Laser Therapy(HLLT)とLow Level Laser Therapy(LLLT)に分けられます。HLLTは摂氏2000℃近くあり、細胞や組織を破壊する不可逆的反応を利用した強いレーザーで、外科治療に用いられています。LLLTは摂氏40℃以下の低温のレーザーであり、細胞・組織を活性化させ、血液循環および新陳代謝を促進する作用があることが知られています。そのことから卵巣機能ならびに子宮(内膜)の着床能向上などの効果が期待されていています。
当院では2010年10月より、統合医療の1つとしてLLLTを専用の装置(図①参照)を使用して体の様々な部分に照射する治療を実施しています。
レーザー装置
2) LLLTの効果
上記にも示しましたが、LLLTには着床能向上が期待されるため、当院ではLLLTを胚移植前に実施することで妊娠率が向上するかどうか検討しました。
検討①:胚移植当日にLLLTを実施した群と実施しなかった群での比較の検討(図②)
 検討
胚移植当日にLLLTを実施した結果、化学妊娠率・臨床妊娠率・継続妊娠率には有意差はありませんでしたが、LLLT実施群において高い傾向がありました。
検討②:胚移植3日前にLLLTを実施した群と実施しなかった群での比較の検討(図③)
図3
移植3日前にLLLTを実施し結果、着床率、臨床妊娠率には有意な差は見られませんでしたが、LLLT実施群が実施しなかった群と比較して高い傾向があり、継続妊娠率はLLLT実施群が有意に高率でした。
以上の結果より移植前にLLLTを実施することで、治療成績が向上する可能性が示唆されています。
胚培養部門 角 知英