診療・治療
卵管に障害があると体外受精の選択を余儀なくされることも少なくありませんが、卵管を広げる手術「卵管鏡下卵管形成術(FT法)」によって自然妊娠を期待できます。
FT法は狭くなっていたり、詰まっている卵管を通すために行うカテーテル手術です。卵管腔内の病態を直接把握し、卵管形成を行います。
FT法に用いられる卵管鏡は、円筒状の伸長性バルーンカテーテルとその内側に毛髪ほどの細さのカメラを組み込んだシステムです。その為、技術の習得が大変難しく、日本では当院を含め36施設しか実施出来ません。
卵管の閉塞や狭窄の卵管性不妊に用いられ有効性のある治療法です。
簡単な麻酔が施されるため痛みはほとんどなく、日帰りで行う手術の為、体への負担が少ない治療法です。また、費用面では保険適用が適用されるメリットもあります。
治療効果は非常に良好です。治療成績としては、卵管の開口は80%以上に確認され、他に不妊要因をお持ちでなければ術後の妊娠率にも直接反映されます。しかし、40代以上の方にはおすすめしておりません。
当院ではFT法後6ヶ月を大切な期間とし、FT法の効果が高いうちにタイミング療法等で早めに妊娠することが望まれます。
当院では、卵管内のひだの状態も左右確認しても約15分-20分で終了いたします。ほとんどの方は翌日からの痛みもありません。また、高度医療補償制度が適応されます。卵管因子により他院で体外受精などすすめられて、自然妊娠をご希望のあなたにとって有効な治療方法である可能性がありますので外来でご相談ください。