英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

日本受精着床学会雑誌

  • 採卵17周期実施するも妊娠にいたらずzygote intrafallopian transferによって妊娠に至った1例
  • 24巻 第1号 2007年
  • 日本受精着床学会雑誌
  • 橋本 洋美、後藤 栄、苔口 昭次、松永 雅美、泉 陽子、吉村 由香理、笠原 優子、江口 素子、渡部 純江、姫野 清子、棚田 省三、塩谷 雅英

【要旨】

採卵を17周期実施するも妊娠に至らず、接合子卵管内移植(zygote intrafallopian transfer; ZIFT)によって妊娠した症例を経験した。症例は原因不明不妊の為、前医にて体外受精-胚移植(in vitro fertilization;IVF-ET)を4周期、配偶子卵管内移植(gamete intrafallopian transfer; GIFT)を1周期、ZIFTを1周期実施したが妊娠に至らず当院を受診した。初診時34歳、O回経妊、不妊期間9年であった。当院で顕微授精 (intracytoplasmic sperm injection;ICSI)を5周期実施したが妊娠に至らなかった。二段階胚移植を試み初期胚で形態良好胚を3~5日間体外培養を6周期行ったが、いずれの治療周期においても胚盤胞に発生し無かった。その後、他院で子宮鏡下ZIFTを2周期実施するも妊娠にいたらず、再度当院でICSIを実施するも胚盤胞への発生は認めず妊娠しなかった。治療不成功の主原因は体外培養での胚発生停止であると考え、腹腔鏡下ZIFTを施行することとした。7~9周期目の ICSIで得られた計14個の前核期胚を凍結保存、ホルモン調節周期を利用して腹腔鏡下にZIFTを実施したところ単胎妊娠が成立した。体外培養での胚発生停止が治療不成功の原因と考えられる難治症例においてZIFTは有用な治療法であると考えられた。

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