英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

助産雑誌

  • 【不妊治療について】妊娠まで,そして妊娠してからの助産師のケア
  • 第67巻第9号 2013年9月25日発行
  • 助産雑誌
  • 藤井美喜


    英ウィメンズクリニック

キャリアの継続やそれに伴う晩婚化など女性のライフサイクルの変化に伴い,挙児を希望する女性が高齢化している。高齢化すればするほど,卵子の数および質ともに低下し,排卵誘発剤を用いても反応が悪くなり治療は困難となる。
筆者の勤務しているクリニックにも,40歳以上の女性が挙児を希望して数多く来院している。なかにはタイミングなどで治療すれば容易に妊娠できると思っている女性,不妊治療に対して知識が不十分な女性もいる。そのほかには,他院で治療を数年実施して結果が出ないので受診される女性もおり,さらに治療が長期に及ぶ場合などさまざまな問題がある、
体外受精をして1回で妊娠できればいいのだが,なかには数回あるいは数十回治療をくり返す女性もいる。妊娠するとは限らない治療の不確実性のもと,期待しても失敗をくり返すたびに「なぜ失敗をくり返すのか」「本当に妊娠できるのか」と不安が増大してくる。期待と失望の反復は「感情のジェットコースター」と呼ばれ,不妊治療の長期化とともにショックが大きくなると言われている。治療が長期化すればするほど時間的,経済的な負担も大きくなり,精神的な苦痛も続く。高齢女性ほど精神的なあせりを表出しやすく,「1周期も無駄にしたくない」という思いをもつ。不妊治療は「出口の見えないトンネル」という表現もよくされる。妊娠することが出口だとしても,いつ妊娠できるかわからない。実施,不妊治療を開始する場合には治療には限界があり,希望する通りに妊娠に至らない場合もあることを理解し、夫婦でいつ頃まで行うのか話し合っておくことが大切である。

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