英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

当院での3種類の凍結融解液を用いた胚凍結融解後の成績

  • 第64回日本卵子学会学術集会
  • 2023年5月20日~21日 つくば国際会議場
  • 当院での3種類の凍結融解液を用いた胚凍結融解後の成績
  • 白岩優綺 北詰麻衣、松田彩花、横田梨恵、古橋孝祐、岩﨑利郎、伊藤宏一、水澤友利、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】生殖補助医療において、安定した胚の凍結融解技術は、必要不可欠であることはいうまでもない。そのため、当院では定期的に凍結融解胚移植の融解予後と妊娠成績の推移を確認し、使用する凍結融解液の見直しを行っている。今回、当院で従来使用していた自家調整の凍結融解液と、2種類(A社、B社)の市販凍結融解液の治療成績を比較検討したのでここに報告する。

【方法】2020年3月~2022年7月に初回単一胚盤胞融解胚移植を行った1634周期を対象とし、自家調整液を用いた324周期(HM群)、A社液を用いた423周期(A群)、B社液を用いた887周期(B群)において、臨床妊娠率、流産率、出生率を比較した。胚のグレードはGardner分類に基づいて評価した。採卵時平均年齢は、HM群34.7±4.2歳、A群34.7±4.2歳、B群34.6±4.3歳であり、各群間において有意差を認めなかった。

【結果】融解後の胚生存率は、HM群99.7%(325/326)、A群99.8%(423/424)、B群99.9%(890/891)であり、全ての群間において有意差を認めなかった。臨床妊娠率、流産率、出生率はそれぞれ、HM群42.9%(139/324)、17.3%(24/139)、35.5%(115/324)、A群48.9%(207/423)、13.5%(28/207)、42.3%(179/423)、B群44.4%(394/887)、16.2%(64/394)、37.2%(330/887)であり、有意差は認められなかったがA群において出生率が高い傾向がみられた(P=0.006)。

【考察】3群間において、凍結融解後の胚の回復予後と妊娠成績には、有意な差を認めなかったが、より良い妊娠成績を目指すために、日々一新される商品の検討導入や、成績を注視し、凍結融解液の見直しを行うことはラボワークにとって必要不可欠と考えられた。

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