英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

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小卵胞径でのトリガー投与が著効した卵巣機能低下症例10例の検討

  • 第28回日本生殖内分泌学会学術集会
  • 2023/11/18 大津市民会館
  • 小卵胞径でのトリガー投与が著効した卵巣機能低下症例10例の検討
  • 山田 愛 小寺歌織、山田弘次、江夏徳寿、林 奈央、江夏宜シェン、十倉陽子、山田 聡、水澤
    友利、片山和明、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英

【目的】卵巣機能低下症例では貴重卵の採卵に挑む機会が多いが、刺激に対する低反応、早発LHサージや早期黄体化、予期せぬ排卵、空胞等の問題が生じやすく、とりわけトリガー投与時期の決定については困難を極める。
今回我々は、過去複数回の採卵で良好な結果が得られていない、血中AMH 1.0ng/ml未満の症例に対して、卵胞径11~14mmといった通常より小さいサイズでトリガーを投与し採卵に挑み、初めて胚移植の実現に至った例や、良好胚発生を得ることのできた例を10例経験したため報告する。
【対象】2023年1月から2023年6月の間、研究同意が得られた当院での採卵症例で、過去に良好な結果が得られていない低AMH症例のうち、卵胞径11~14mmでトリガー投与し良好なART成績が得られた例を抽出し、後方視的に検討した。
【結果】採卵時平均年齢は38.3±2.4歳、血中AMHは0.30±0.36ng/mlであり、4例で良好胚盤胞発生がみられ、5例は初めて胚移植に至った。胚移植を行った7例中5例に臨床妊娠成立を認めた。トリガー投与時、10例中7例で血中LH値が基礎値に比して2倍以上上昇していたが、P4値が 1.0ng/mlを上回る例は1例もみられなかった。良好胚盤胞凍結に至った4例の検討では、P4値は同症例の過去の採卵時と比較して有意に低いことが明らかとなった。
【結論】卵巣機能低下症例においては、小さめサイズで採卵することで、胚質や妊娠率に負の影響を及ぼす可能性のある早期黄体化のリスク回避に繋がる可能性が示唆された。

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