診療・治療
要旨
新型コロナ感染症は2020年1月に本邦で第一例が確認以来急速に拡大し,現在でも第6 波の
オミクロン株の流行はまだ終息していない.そのような中,難治性不妊を治療中の患者がホルモン補充周
期移植直後に新型コロナウイルスに感染したが,臨床妊娠に至った症例を経験した.症例は40 歳で,初期
胚移植後4 日目に38 度台の発熱が1 日だけ認められたが症状は軽微であった.発症後10日目(解熱後9
日目)で受診となったが,新型コロナウイルス感染症の再燃はなかった.妊娠5 週1 日,胎嚢を経腟エコー
下に確認し妊娠8 週に胎児心拍を認め卒院した.妊娠13週の胎児初期精密検査では胎児発育も良好で明
らかな胎児奇形は認めなかった.