診療・治療
【要旨】
自然排卵周期を利用して凍結融解胚移植を行った223周期を対象とし、黄体期のホルモン療法の違いにより妊娠成績に差があるかどうかについて検討を行った。黄体期のホルモン療法として、hCGを投与した40周期をA群、hCG投与に加えプロゲステロン腟座薬を投与した83周期をB群、hCG 投与とプロゲステロン腟座薬に加え エストラジオール貼布剤を使用した 100 周期 を C 群とした 。移植あたりの臨床妊娠率及び着床率は、A群42.5%、28.0%、B群45.8%、30.3%、C群63.0%、44.3%であり、いずれもA群及びB群と比較してC群が有意に高率であった。以上より、自然排卵周期での凍結融解胚移植では黄体期にhCG投与に加えプロゲステロン腟座薬とエストラジオール貼付剤投与を行う事が妊娠率及び着床率を高めるために有用であることが示唆された。