診療・治療
【発表の概要】
【目的】卵管性不妊患者に外来卵管鏡下卵管形成術(FT)をおこない妊娠までの期間について検討し、術後妊娠率について年齢別、卵管障害部位別、程度別、卵管内腔観察によりヒダ異常の有無別に検討する。
【対象】両側FTを施行し完遂できた206例である。
【方法】FT適応はHSGで卵管の狭窄・閉塞例であり、FT後4ヶ月以上の経過観察をおこなった。
【結果】FT 完遂率は97.2%、FT後の妊娠率は34.5%(71/206)であり、FT後妊娠までの期間は平均3.9ヶ月(1~13ヶ月)であった。年齢別の妊娠率に有意差はなかった。卵管障害部位別および卵管障害程度別妊娠率も各群に差はなかった。卵管内腔の一部に正常と判断できた部位がある例とした場合、ヒダ正常所見有り群の妊娠率は48.4%(61/126)、ヒダ異常所見群では7.1%(4/54)(p<0.001)。
【結論】40歳未満の症例ではARTを選択する前に積極的にFTを試す価値がある。卵管内観察で内腔ヒダに正常部分がなければ妊娠率は低いので早いステップアップも考慮したい。