英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第59回 日本生殖医学会学術講演会

  • クエン酸クロミフェンおよびレトロゾールで排卵誘発した周期における新鮮胚移植の比較
  • 平成26年12月4日~5日 京王プラザホテル
  • 第59回 日本生殖医学会学術講演会
  • 水澤友利、岡本恵理、緒方誠司、山田聡、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウイメンズクリニック

【目的】
体外受精治療の排卵誘発において、FSH製剤やhMG製剤に低反応の症例では採卵数の増加が見込めず、心身や経済的負担が大きくなることがある。このような症例では内服薬による排卵誘発において良好な結果を得られる事がある。内服の排卵誘発剤としてはクエン酸クロミフェン(CC)が広く使用されているが、近年レトロゾール(AI)を用いた排卵誘発のARTへの応用の報告が増えてきている。そこで、本研究ではCCとAIを使用したARTにおいて新鮮胚移植周期の成績を比較検討した。

【方法】
2011年1月から2012年12月までに新鮮胚移植を行ったART周期のうち、CC 周期 :1787 、AI周期:3124を対象とした。それぞれの化学妊娠率CR、臨床妊娠率CPR、妊娠継続率PPR、流産率ARを30才まで 31-35歳 36-40歳、41-45歳 46歳以上で比較した。

【成績】
検討した各項目において全年齢層での比較ではCC群とAI間に有意差はみられなかったが36-40歳の化学妊娠率でAI群がCC郡より有意に高い結果であった。特に35歳以上に注目し、妊娠率に影響する内膜厚と胚のグレードを比較すると内膜はAI妊娠例で有意に厚く、CC郡は低い結果であった。また胚グレードにおいては妊娠した症例でCC郡にくらべAI群は有意に低い結果であった。流産率では両群とも年齢層が上がるにつれて高まる傾向を認めたが両群間に差は無かった。

【考察】
今回の検討結果から、AI群の内膜はCC群に比較し有意に厚く、35歳以上の着床症例においてもAI群ではCC群より有意に内膜が厚く、化学妊娠率に影響している可能性が示唆された。移植キャンセル率もCC使用による内膜菲薄化がCC群の移植キャンセル率を高めている可能性が高いと考えられた。初期胚のグレードはAI群ではCC群よりも有意に低い結果であった。一般にグレードが低いほど着床が不良になるが、それにもかかわらずAI群では化学妊娠率が高い結果であった。正常分娩は44歳以上の症例ではAI群のみであり、高齢になるほどCCよりAIのほうが妊娠経過にも好ましい条件を与える可能性が示唆された
 

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