英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第58回 日本生殖医学会 学術講演会・総会

  • 採卵時の痛みに対するアンケートを通して~局所麻酔を取り入れて~
  • 平成25年11月15日(金)、16日(土) 神戸国際会議場、神戸ポートピアホテル
  • 第58回 日本生殖医学会 学術講演会・総会
  • 藤井美喜、オンビルギン操、梶原綾乃、十倉陽子、岡本恵理、水澤友利、山田聡、緒方誠司、松本由紀子、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

【目的】当クリニックでは従来、採卵時の痛みを軽減させるために静脈麻酔、座薬や錠剤を使用してきた。麻酔使用時の副作用や麻酔後の安静保持、患者移動介助の必要性を考えると麻酔は最小限にすべきであり、局所麻酔を取り入れることになった。そこで、局所麻酔の痛みの程度を知り、他の方法と比較し検討するためにアンケートを実施した。

【方法】2012年7月~8月に、採卵を受けた患者を対象に採卵終了後にアンケートの内容を説明し、同意を得た上で手渡した。回収ボックスにて留め置き法で回収した。

【結果】325名より回収を得た(回収率92%)。静脈麻酔42.5%が最も多く、次に内服か座薬40.6%、局所麻酔15.7%で、採卵中局所麻酔から静脈麻酔に変更したのは4名(1.2%)いた。内服か座薬、局所麻酔、静脈麻酔の所要時間はそれぞれ平均4.6分、7.6分、8.6分、平均穿刺卵胞数は2.9、10.5、15.0であった。採卵時の痛みを強く感じた患者は、局所麻酔、内服か座薬、静脈麻酔の順であった。平均穿刺卵胞数との関連をみると、局所麻酔では「痛くない」と感じた患者の平均穿刺卵胞数15.7で、「痛みが強い」と感じた患者の穿刺卵胞数は10.7であった。局所麻酔は74.5%の患者が「満足」と返答していたが、他の方法に比較して低かった。

【考察】採卵時の痛みは局所麻酔が強かったので、痛みが増強すればその場で静脈麻酔への切り替えなど個々の状況に応じて対応していく必要がある。また精神的な声かけなども痛みの緩和につながる。局所麻酔の「痛くない」と感じた患者の平均穿刺卵胞数が、「痛みが強い」と感じた患者より多かったため、痛みの感じ方は個人差があるといえる。所要時間の短縮や麻酔の副作用を考えると、穿刺卵胞数が少ないようであれば、静脈麻酔から内服か座薬、局所麻酔にシフトしていくように試みていくべきである。
 

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