英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第57回 日本生殖医学会学術講演会

  • 当院における凍結融解胚移植時のプロゲステロン膣座薬に対する患者使用感について
  • 平成24年11月8日(木)~9日(金) 長崎ブリックホール
  • 第57回 日本生殖医学会学術講演会
  • 藤井 美喜、松浦 操、岡本 恵理、水澤 友利、山田 聡、緒方 誠司、松本 由紀子、苔口 昭次、塩谷 雅英


    英ウィメンズクリニック

【目的】
当クリニックでは凍結融解胚移植後の黄体ホルモン補充としてプロゲステロン膣座薬(ウトロゲスタン膣座薬®)を使用している。プロゲステロン膣座薬は天然型のプロゲステロンを含有していること、筋肉注射を必要とするプロゲステロン製剤と比較して患者の苦痛が少ないことなどから黄体ホルモン補充に有用であると思われるが、患者の使用上の不快感の訴えがみられることがあった。そこで、プロゲステロン膣座薬に対する患者の使用感を知り、今後のケアに役立てるためにアンケートを実施した。【方法】2012年3月~2012年4月に、初回凍結融解胚移植周期20日目の患者に対して同意を得た上でアンケートを配布し、59名より回答を得た。膣座薬の挿入部位は膣か肛門いずれかの挿入と指導し、周期15日目の夜から1200mg/日(1個200mg)3回に分けて投与した。【結果】プロゲステロン膣座薬を膣に挿入した患者の77.8%が「薬が出てくる」、70.4%が「薬が溶ける不快感がある」と答えていた。血中プロゲステロン値の平均は、「薬が出てくる」と答えた患者は10.12 ng/ml、「薬が溶ける不快感がある」と答えた患者は9.76ng/mlであった。プロゲステロン膣座薬が「出てくる」「溶ける不快感がある」と答えた方と答えない方の血中プロゲステロン値には統計的に有意差はなかった。挿入時の痛みを感じた患者は膣に挿入するより、肛門に挿入した方が多くみられた。92.3%の人が挿入忘れなく実施されていたものの、多くの患者が「1日3回挿入が大変」「決まった時間に入れるのが大変」と答えていた。【考察】膣座薬が溶けたり出てきたり感じていても、血中プロゲステロン値に差がみられないことがわかった。膣に挿入した方が溶けやすく出やすい欠点はあるが、挿入時の痛みは肛門に挿入するより膣に挿入した方が少なかった。膣座薬を挿入している患者は日常生活の上で負担を感じて実施しているため、精神的な負担の軽減に対する声掛けや配慮が大切である。
 

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