診療・治療
【発表の概要】
【目的】
assisted hatching(AH)の有効性については未だ議論のあるところであるが、Human Reproduction Update 2011において、反復不成功症例や凍結融解胚移植症例に対するassisted hatching(AH)が、臨床妊娠率の向上に関与しているという報告があった。当院でも、凍結融解胚移植時にはルーチンにAHを実施している。そこで、今回我々は、凍結融解胚盤胞移植におけるLaser assisted hatching (LAH)の開口範囲が妊娠率に与える影響を検討したので報告する。
【方法】
2010年3月〜2010年7月と2011年3月~7月に凍結胚盤胞を融解し、1個移植を実施した943周期を対象とした。
検討1: LAHの開口範囲を、透明帯の全周の1/4を開口してから移植した群(1/4開口群)、1/2を開口してから移植した群(1/2開口群)、1/2を開口した後にピペッティングにより透明帯から完全に脱出させて移植した群(脱出群)、の3群にランダムに分類し妊娠成績を検討した。
検討2:移植回数が1~2回と3回以上に分けて開口範囲別に妊娠成績を検討した。
【結論】
検討1および検討2のいずれにおいても各群に有意差は認められなかったことから、本研究ではLAHによる透明帯の開口の範囲は、妊娠成績に大きな影響を与えない事が示唆された。
【考察】
本研究結果より、透明帯の開口範囲は、妊娠成績に大きな影響を与えないことから、開口範囲が3群の中で最も狭い1/4開口で十分にhatchingし着床している可能性が示唆された。