英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第38回 日本遺伝カウンセリング学会学術集会

  • 認定遺伝カウンセラーの立場から
  • 平成26年6月26日(木)~29日(日) 近畿大学ノーベンバーホール
  • 第38回 日本遺伝カウンセリング学会学術集会
  • 庵前美智子、滝口修司、伊原由幸、江夏宜シェン、片山和明、安昌恵、城綾乃、 十倉陽子、山田聡、緒方誠司、水澤友利、松本由紀子、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英


    英ウィメンズクリニック

 近年、晩婚化や社会情勢の変化に伴い不妊症患者数には増加傾向を認め、高度生殖補助医療(ART)を含めた不妊治療を受ける患者も増加している。これらの不妊症患者の中には高齢のため児の染色体異常を心配するケースや、染色体異常などが原因で流産を繰り返すケースが少なくない。そのような患者に適切な情報を提供する目的で、当院では2008年度より認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを開始した。遺伝カウンセリングの症例数は2013年末に1400症例を超えた。
 当院のような不妊治療専門施設での遺伝カウンセリングは、出生前診断にまつわるものが多い。しかし、クライエントの相談内容はそれだけには留まらない。遺伝カウンセリングを希望するタイミングも様々である。初診時に遺伝カウンセリングも合わせて希望することもあるが、人工授精やARTにステップアップする局面で遺伝カウンセリングを希望するケースが多い。また、ART不成功や流産を繰り返すことへの焦りや不安などにかられて遺伝カウンセリングを希望する場合も少なくない。遺伝カウンセラーは治療の様々な場面で苦悩するクライエントと向き合う事になる。
 卵子の老化がマスコミで取り上げられるようになり、年齢とともに卵子も老化するという事実は周知されて来たが自分だけは大丈夫という思いを持っている患者は少なくない。また結婚すれば子どもは自然に授かると思っていた夫婦が、治療しなければ子どもを持てないという事実に直面した時には様々な苦悩を突然抱えることになる。これらのクライエントが治療の結果妊娠した際には、時として児に対する期待が大きく膨らみすぎ、その結果出生前診断に対する過度な期待や障害児はいらないという短絡的な思いに繋がるケースがある。このようなケースに対しては、治療のゴールは妊娠ではなく通過点に過ぎないこと、そもそもなぜ挙児を希望したのかという夫婦の思いの原点に戻り、クライエント自らが今の自身の状態を冷静に見つめること、そして妊娠したことに対する不安を妊娠した喜びが上回るよう、不妊治療にかかわる遺伝カウンセラーとして日々心がけている。
 

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