英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第34回 関西アンドロロジーカンファレンス

  • Split ICSIの適応基準の検討
  • 平成19年3月3日 千里ライフサイエンスセンター
  • 第34回 関西アンドロロジーカンファレンス
  • 橋本 洋美、後藤 栄、吉村 由香理、泉 陽子、笠原 優子、江口 素子、小森 江利子、田中 里美、藤澤 弘子、古橋 孝祐、水田 真平、稲飯 健太郎、北風 桃子、松木 俊英、渡部 純江、松永 雅美、姫野 清子、棚田 省三、苔口 昭次、塩谷 雅英 
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】ICSI は重症男性不妊や受精障害に対して用いられるが、ICSIの適応となる精液所見の具体的数値は定まっておらず、IVFかICSIの判断を迷う場合には回収卵子を分けてIVFとICSIに供するsplit ICSIを行うことがある。今回我々は当院におけるSplit ICSIの適応基準となる原精液所見の検討を行った。

【方法】当院でIVF-ETを施行した682症例の受精率と妊娠率の相関よりsplit ICSIの適応基準を検討した。

【成績】(1)IVF682 症例のうち受精率が30%以下の症例は、受精率50%以上の症例と比較して有意に妊娠率が低下したために、受精率が30%以下となる可能性が高い精子濃度、精子運動率、運動精子数を検討した。IVFにて受精率30%以下となった症例の割合は、精子濃度2000万/ml未満の症例では40%であったのに対し、2000万/ml以上では8.4%であった。精子運動率20%未満の症例では40%であったのに対し精子運動率20%以上では9.7%であった。運動精子数が1000万/ml未満の症例では58%であったのに対し1000万/ml以上では7.8%であった。これらの結果から精子濃度2000万/ml未満又は運動率20%未満又は運動精子数1000万/ml未満では、低受精率および低妊娠率が予測されるためSplit ICSIの適応基準とした。(2)この基準を満たす19症例にSplitICSIをした。9症例がIVFよりICSIの受精率が高く、うち3症例はIVF での受精率0%であった。

【結論】精子濃度2000万/ml未満又は運動率20%未満又は運動精子数1000万/ml未満の症例は、SplitICSIを施行してもよいと考えられた。

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