英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第32回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • EmbryoScope® Time-lapse Systemを用いたメディウムチェンジの有無による胚発生の比較
  • 平成26年7月31日~8月1日 ハイアットリージェンシー東京
  • 第32回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 堤由香理、緒方洋美、岩崎利郎、片田雄也、佐東春香、古橋孝祐、江口素子、田中里美、角本知世、岸加奈子、松浦まき、後藤優介、東山龍一、成松美彩、向井美紗、角知英、
    辻優大、矢田桃子、阿部礼奈、横田理恵、中原恵理、

    魚住卓矢、井頭千明、波多野佳苗、
    石本優英、緒方誠司、松本由紀子、山田聡、水澤友利、岡本恵理、苔口昭次、塩谷雅英

【発表の概要】

 

【目的】

近年、タイムラプス観察システムにより、胚発生における動的解析が容易となっている。そこで、今回我々は、 EmbryoScope® Time-lapse System(以下EmbryoScope)を用いた胚観察により、従来メディウムチェンジを行って培養していたが、メディウムチェンジを行わずに培養を続けても胚発生に影響はないのかについて検討を行った。


【方法】

2013年9月~2013年11月において、年齢が38歳以下及び採卵回数が1回~3回におけるICSI実施症例で、且つICSI卵数が4個以上の全胚凍結症例22症例、163個の胚を対象とした。ICSI実施後、撮影時間15分間隔で、採卵後6日目まで培養し、胚盤胞発生率及びGardner分類による胚盤胞をグレーディングをおこなった。また、培養液はLife Global社のGlobalメディウムを用いて培養を行った。
 

【成績】

従来のメディウムチェンジを行った群では、継続して培養を行った88個の胚のうち35個が胚盤胞に発生し、胚盤胞発生率は39.8%であった。一方、メディウムチェンジを行わず培養を続けた群では、継続して培養を行った90個の胚のうち43個が胚盤胞に発生し、胚盤胞発生率は47.7%であった。
また、良好胚盤胞発生率は、メディウムチェンジを行った群では、14.3%(5/35)であったのに対し、メディウムチェンジを行わなかった群では、16.2%(7/43)であり、胚盤胞への発生率及び良好胚盤胞発生率で差は見られなかった。


【結論】

本検討により、メディウムチェンジを行わなくても胚発生に影響はないことがわかった為、メディウムチェンジは必要ないと示唆される。
今後も更に検討を実施し、臨床の一助として用いるようにしていきたい。
 

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