英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第24回 日本受精着床学会総会・学術講演会

  • 胚移植手技がARTの治療成績におよぼす影響についての検討
  • 平成18年9月21日~22日 軽井沢プリンスホテル(長野県・軽井沢) 
  • 第24回 日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 江口 素子、塩谷 雅英、橋本 洋美、泉 陽子、吉村 由香理、笠原 優子、小森 江利子、田中 里美、藤澤 弘子、古橋 孝祐、水田 真平、渡部 純江、松永 雅美、姫野 清子、棚田 省三、苔口 昭次、後藤 栄 
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック

【発表の概要】

【目的】ARTにおいて胚移植手技の良否は妊娠率向上のため重要であると考えられる。そこで我々は胚移植に用いたカテーテルの種類、胚移植に要した時間および胚移植部位がARTの治療成績に影響をおよぼすか否かについて検討を行った。

【方法】当院にて2004年4月~2006年2月に二段階胚移植を実施した324周期を検討対象とした。mock transferが容易に行えた症例のうち、外筒付きカテーテルを使用した群(A群)と外筒を用いず移植カテーテルのみで移植を実施した群(B群)の間で妊娠率を比較した。次に、移植胚を培養器から出し子宮腔内へ移植するまでに要した時間と妊娠率の相関を検討した。さらに、移植胚とともに子宮腔内に注入された気泡の位置を測定し妊娠率との相関を検討した。

【成績】平均年齢および平均ART回数はA群34.0歳、2.2回、B群34.1歳、2.2回であり両群で有意差はなかった。移植周期あたりの妊娠率はA群 41.0%(16/39)、B群61.9%(86/139)でありB群が有意(P<0.05)に高率であった。移植所要時間は、外筒なしのカテーテル使用で平均94.3秒(43秒~331秒)、外筒つきカテーテル使用で平均129.6秒(90秒~613秒)と外筒つきカテーテル使用群で長くなったが、移植所要時間と妊娠率との相関はなかった。気泡の位置の検討では、子宮底から0.7cmで妊娠率が64.4%(29/45例)と最も高くなっていた。

【結論】Mock transferが容易に行えた症例に対しては外筒つきカテーテルの有用性は認められなかった。また、胚移植に要する時間は妊娠率にあまり影響を与えないことが示唆された。妊娠率を最も高めるための適切な移植位置は子宮底から0.7cm付近であることも示唆された。

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