英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第16回 武庫川産婦人科セミナー

  • 採卵17周期実施するも妊娠にいたらずZIFTによって妊娠に至った1例
  • 平成18年3月18日 ノボテル甲子園(兵庫県)
  • 第16回 武庫川産婦人科セミナー
  • 橋本 洋美、後藤 栄、泉 陽子、吉村 由香理、笠原 優子、江口 素子、小森 江利子、田中 里美、藤澤 弘子、古橋 孝祐、水田 真平、山口 美奈、渡部 純江、松永 雅美、姫野 清子、棚田 省三、苔口 昭次、塩谷 雅英 
    英(はなぶさ)ウィメンズクリニック

【発表の概要】

採卵を17周期、移植を15周期実施するも妊娠に至らず、その後に実施したZIFTによって妊娠に至った難治症例を経験したので報告する。症例は原因不明の不妊ため前医にてIVF-ETを4周期、腹腔鏡下GIFT、ZIFT各1周期実施したが妊娠に至らず、2001年10月に当院を初診した。

初診時34歳、O回経妊、不妊期間9年であった。当院のARTのCOHは、1、3、5周期目はshort protocol、2周期目はultralong protocol、4周期目はlong protocolを用いた。前医でのIVFの受精率は15%~20%と低値であったことから当院ではICSIを実施し、受精率は69.3% (30.8~70.0%)であった。得られた初期胚の形態はいずれの卵巣刺激周期においても良好であったが二段階胚移植を予定とし、初期胚移植を実施後、残りの胚は培養継続したが胚盤胞に発生しなかった。当院3周期目の治療時には凍結融解胚をホルモン補充周期にて移植したがやはり妊娠に至らなかったため、子宮鏡下GIFT・ZIFTを勧め、他院を紹介した。しかし同院にて子宮鏡下ZIFT法を2周期実施するも妊娠に至らず、再度当院を受診した。

当院6周期目の治療は、antagonist併用 protocolにて行い、形態良好な初期胚が得られた。しかし初期胚移植を実施後、残りの胚は二段階胚移植を予定とし培養を継続したが胚盤胞に発生せず、やはり妊娠に至らなかった。体外培養での胚発生停止が治療不成功の原因と考え、再度腹腔鏡下ZIFTを選択することとした。clomiphene- hMG療法を2周期、引き続き、アロマターゼ阻害剤-hMG療法を1周期施行、採卵・ICSIを実施、合計14個の胚を得、前核期で凍結保存した。その後、ホルモン補充周期を利用し、前核期胚を融解後同日腹腔鏡下に両側卵管に移植した。移植後15日目に血中hCG43.5mIU/mlと妊娠を確認、その後単胎妊娠が確認され現在経過は順調である。体外培養あるいは子宮内環境での胚発生停止が治療不成功の原因と考えられる難治症例に対してZIFT法は有用な治療法であると考えられた。

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