診療・治療
【発表の概要】
【目的】ARTにおいて胚移植の良否は妊娠成立のための重要因子の一つである。今回我々は、移植カテーテルおよび併用する超音波別の妊娠成績について後方視的に検討を行った。
【方法】当院において2004年4月~2005年7月に二段階胚移植を実施した周期のうち、治療周期前にソフト移植カテーテルを用いた子宮腔内へのカテーテルの挿入 (mock transfer) がスムーズであった72周期を対象とした。経膣超音波ガイド下にフレスポイトリプロシリーズFRC-232Sと付属のカテーテル外筒(北里サプライ) を用いて移植を施行した24周期をV群とし、経腹超音波ガイド下にファイコン(富士システムズ)、又はフレスポイトリプロシリーズFRC-640S (北里サプライ) のソフトカテーテルを用いて移植をした48周期をA群とした。両群共に良好胚を移植した周期とした。。
【成績】平均年齢はV群34.9歳、A群33.4歳であった。移植あたりの妊娠率はV群において29.2%(7/24)、A群において68.8%(33/48)でありA群が有意(P<0.01)に高率であった。
【結論】 ART治療前のmock transferがスムーズに施行できた症例に対して、経膣超音波下にフレスポイトリプロシリーズFRC-232Sと付属のカテーテル外筒を用いた移植の有用性は認められず、経腹超音波下にファイコン、又はフレスポイトリプロシリーズFRC-640Sのソフトカテーテルを用いて移植を行う方が有用であった。