英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

研究開発・学会発表

診療・治療

第24回日本IVF学会学術集会

  • 男性不妊に関する意識調査の報告
  • 2021年10月2日・3日 琵琶湖ホテル
  • 第24回日本IVF学会学術集会
  • 1)白岩 優綺,1)古橋 孝祐,1江夏 徳寿,1岩﨑 利郎, 1)水澤 友利,1)苔口 昭次,1)塩谷 雅英



    1)英ウィメンズクリニック,英メンズクリニック

【目的】

本研究は今日における男性の不妊治療への意識・男性不妊への認知度を調査した。

【方法】

2020年6月~9月に男性不妊外来を受診した男性患者400名を対象とした。アンケートは無記名式で行い、個人情報は個人情報保護法に基づき厳重に管理していることを明記し、回答を以って研究に同意したものとした。

【結果】

平均年齢は36.2±6.4歳、回収率は88.5%(354/400)であった。ご自身及びパートナーの検査を行った順序について、全体に占める割合が多い順に、無回答を除き「女性が先」180名(51%)、「パートナーと同時期」109名(31%)、「男性が先」53名(15%)であった。初回精液検査の結果について「想定より悪かった」192名(54%)、「想定していた程度だった」62名(18%)、「未検査」62名(18%) 、「想定より良かった」23名(6%)であった。パートナー以外の家族・知人に不妊治療のことを話せるかについて「はい」262名(74%)、「いいえ」86名(24%)であった。「いいえ」の理由は、プライベートなことだから、世間体が気になる、相手に余計な心配をかけたくない等の意見があった。積極的に不妊治療に取り組みたいかについて「そう思う」225名(64%)、「ややそう思う」88名(25%)、「どちらともいえない」31名(9%)、「ややそう思わない」4名(1%)、「そう思わない」2名(1%)であった。「どちらともいえない」「ややそう思わない」「そう思わない」の理由は、経済的理由、辛いことも多いから、子供を急いでいない等の意見があった。受診した前後でご夫婦の不安やストレスは増えたかについて「どちらともいえない」233名(66%)「増えた」74名(21%)、「減った」29名(8%)であった。男性不妊に関する認知度については、どの設問に対しても約7~8割は「知っている」と回答した。

【考察】

今回の結果より、パートナー以外の家族・知人に不妊治療のことを話せるかについて74%が「話せる」と回答した。自身の不妊治療について話せる男性患者は予想より多く見られた。男性不妊外来の受診前後で、ご夫婦の不安やストレスは増えたかについて87%は「増えた」「どちらともいえない」と回答した。想定より精液所見が悪かったケースが多かったこと(54%)や、治療に対する当事者意識が芽生えたこと等が原因と考えられた。また、男性患者が不妊治療に対し感じていること、男性不妊外来は不妊治療への関心・理解度を高める手助けとなることが分かった。今後の取り組みとしてカウンセリングの充実、利用しやすい予約システム等の工夫に加え、不妊治療をカップルの問題とし、治療を行うにはカップルで閲覧できるWebセミナーや、最新の資料・情報の提供が必要であると考えられた。

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