英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

医療の安全制について(2009年2月)

 香川県で受精卵の取り違えという、あってはならないことが報道されました。同じ生殖医療に取り組む医師として、大変遺憾に思います。また、当院で治療中の皆さんにおかれましても少なからず動揺されているのでは無いでしょうか。

 生殖医療はその治療成績も大切ですが、それと同じくらいに安全性も大切だと英ウィメンズクリニックは考えております。そこで当院では、治療の安全性を確保できるよう、いち早くISO(国際標準化機構)の認定審査をクリアーしました。このISOの審査では医療の安全性をいかに達成しているかを特に厳しく審査されます。さらに当院はJIASRT(日本生殖補助医療標準化機関)の審査も2年前にクリアーしました。このJISARTの審査はISOの審査に匹敵する厳格な審査でした。

 例を挙げますと、自家発電装置の設置です。関西電力に問い合わせましたところ、神戸市役所のすぐとなりという当院の近隣では過去に停電があった事はないそうです。あの阪神大震災の時でさえ停電しなかった地域です。それでも万が一の停電にそなえ、自家発電装置の設置を義務づけられました。また、皆様の受精卵をお預かりしております当院の培養器には24時間体制の遠隔監視装置をとりつけており、深夜でも培養器に異変があれば、院長、培養室リーダー、サブリーダーの携帯電話にアラームが着信するようになっております。

 JISARTの審査を目的としてオーストラリアから当院を訪れた審査員3名はいずれもオーストラリアのRTACという審査機関の審査委員です。オーストラリアではこのRTACの審査に合格しなければ生殖医療そのものを実施することができません。ちなみに今回当院を審査して下さったRTAC委員長のサンダース教授からは審査後に、当院は治療成績、安全性確保の両面でエキサレント(最優秀)クリニックである、とのコメントを頂きました。
 

 今回の香川県の施設で起こったミスは残念ながら初歩的なレベルのミスであったと言わざるを得ません。当院ではこのようなミスは起こりえないシステムを構築しております。どうかご安心ください。しかし今後も慢心せず、ISOおよびJISARTが要求する非常に高いレベルの安全性の基準を維持しながら、
医療を実施して行く所存です。
 
 最後になりますが、当院ではISOの基準およびJISARTの基準をクリアーすることで医療の安全性を確保して参りましたが、医療の安全性を確保する方法は、他にも沢山あります。各施設が独自の工夫をし、より高い安全性を確保できるように努力していることを付け加えさせていただきます。

英ウィメンズクリニック
院長 塩谷雅英

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