はなぶさコラムス
当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。
今回は、月経不順(生理不順)のお話をします。月経周期は25~31日周期である場合を正常と考えます。これよりも短かったり、長かったりする場合には月経不順と診断されます。この月経不順は、排卵が起こっている場合と起こっていない場合の二つに分けることができます。月経不順ではあるものの排卵は起こっているならばすぐに治療の必要はありません。ただし妊娠を望んでいる方の場合には、治療の対象となります。無排卵でしかも月経不順になっている方は、健康のためにホルモン治療を受けた方が良いでしょう。無排卵状態を放っておくと、子宮体がんを含めた婦人病になるリスクが高まってしまうことがあります。排卵が起こっているかどうかは、基礎体温をつけてみるとよくわかります。体温が2相性になっていれば排卵が起こっていると考えて大丈夫です。生理不順で、しかも体温が1相性の方は、早めに婦人科を受診してみてくださいね。また月経不順でしかも生理痛(月経困難症)が全く無い場合には、排卵が起こっていない可能性があります。一般的に卵巣の機能の機能が低下すると、月経周期が短くなる傾向がみられます。女性ホルモンが少なくなるため、下垂体ホルモンの活動が活発となり、月経開始後排卵までの期間が短くなるためです。月経周期が24日よりも短い場合、卵巣機能の低下を疑う必要があります。これは、妊娠しにくくなる兆候ですので、月経周期が短くなったとお感じの方でお子さんを望んでいる方は早めの婦人科受診をお勧めいたします。
院長 塩谷雅英