英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

第23回 体外受精と多胎妊娠の関係 (2006年12月)

今回は体外受精と多胎妊娠の関係についてお話します。体外受精治療では妊娠率を高めるために排卵誘発剤を使用して多くの受精卵を育てます。日本産婦人科学 会の取り決めでは子宮の中に移植する受精卵は3個までとなっているのですが、3個の受精卵を移植した場合には三つ子妊娠になるケースも数%と少なくありま せん。三つ子妊娠は母体の負担も大きく、また早産や未熟児の問題もあります。そこで当院では移植する受精卵を2個以下と制限することをお勧めして参りまし た。しかしこれでも双子妊娠がおよそ15%に起こってしまい、多胎を100%避けることができません。多胎妊娠を避けるためには子宮の中に移植する受精卵 を1個だけとする治療が理想となりますが、この場合妊娠率の低下が心配されます。近年、当院では良好なグレードの受精卵が複数個発育した場合には、妊娠率 を低下させずに移植する受精卵を1個だけに制限する方法を開発しました。この方法によって体外受精治療に伴う副作用である多胎妊娠を回避することが可能と なりつつあります。 

執筆:院長 塩谷 雅英

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