英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

理事長コラム

はなぶさコラムス

当院理事長 塩谷雅英が毎日の診療の中、見えてきたこと、皆様に是非お伝えしたいことなどをつづったコラムです。

赤ちゃんが欲しい、お子さんはお一人とお考えですか、二人目もお考えですか?(2009年8月)

 不妊でお悩みの患者様が来院されましたら、私は「お子さんはお一人とお考えですか、二人目もお考えですか?」と尋ねることにしています。多くのご夫婦のお答えは「とりあえず一人です。二人目も欲しくなるかも知れないけど—–とにかく今は二人目のことまで考える余裕はありません」、 というものです。一人目のお子さんをなかなか授かることが出来ずにお悩みのご夫婦にとって、二人目の事を考えることが出来ないのは無理の無いことです。その一方で、一人目のお子さんが出来ると、数年後に多くのご夫婦が二人目をつくりたい、とおっしゃって来院してくださいます。一人目のお子さんが成長する姿を見るにつれ、兄弟姉妹を作ってあげたいと考えるご夫婦が多いのです。そこで、これから不妊治療をお考えの皆様には、二人目のお子さんの事も視野にいれて治療に取り組んでいただけるよう御願いしたいと思います。

 体外受精治療では複数個の受精卵が体外で成長するのが普通です。子宮の中に移植する受精卵は1個ですから、他の受精卵は余ることになります。この余った受精卵は凍結保存しておくことができます。先に移植しておいた受精卵が無事に着床し、赤ちゃんとして成長すれば、凍結保存しておいた受精卵は数年後に融解して子宮に移植することで二人目の赤ちゃんとして生まれてくる可能性を秘めています。例えば一人目のお子さんを体外受精で37歳で授かったとします。出産、育児が一段落して二人目の治療に取りかかれるのは2~3年後になる方が多いので、二人目の治療の際には39歳から40歳になられています。もちろん、39歳~40歳で新たに体外受精治療に取り組むことで成果を得ることができる可能性は充分にあります。しかし、37歳の治療の際に余って保存しておいた受精卵があればその可能性は大きく広がります。

 このように、体外受精による治療を開始すると決意されたご夫婦は、二人目が欲しくなるかどうかよく御相談なさり、二人目も欲しくなると感じられたならば、一人目の体外受精治療で二人目のことも視野に入れて受精卵を少し多めに育てておくと良いかも知れませんね。

院長 塩谷雅英

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