カウンセラー・ナースコラム

　神戸で発生した新型インフルエンザの件では、
当院に通っておられる皆さまもずいぶん気をつかいながらの通院になったのではないか、と思います。
先日神戸市に『ひとまず安心宣言』が出されたことから、
スタッフも徐々にマスクなしの対応をさせていただいています。

　さて、「今回のことで私たちが学んだことはなんだろうか」と考えてみました。
神戸の街にマスクをした人があふれ、
薬局ではマスクが品切れという状況…自宅でじっとしていれば感染するリスクは低くはなるけれど、
仕事に行かないわけには行かないし、買い物にだって行かないと冷蔵庫はからっぽ。

かといって、戦々恐々見えないウィルスにおびえて生活するのも一時的にはがまんできてたとしても、
これが何週間も続くとなるとストレスにもなってきます。

　ところで、マスクを着用し外出をさけるのは何のためにしていたのでしょう。
インフルエンザは空気感染でなく飛沫感染です。
感染者のツバキが何メートルも飛んでくるわけはないのだから、
マスクは感染した可能性のある人にとっては他人への配慮として、
また感染していない人にとっては混雑した電車・人込みに行くときなどはとても大切です。
ただ、暑くて苦しいのを我慢してマスクしている方には、
ベランダで洗濯物を干したり
一人で散歩したりする時は外していただいても大丈夫とお伝えしたいなあと思っていました。

もちろん冬季など湿度の低い時期ではマスクによって
鼻やのどの乾燥を防ぐことで風邪予防の効果はあると思います。

　大切なのは、自分が何のためにそうしているのかを意識していることではないでしょうか？
マスクが飛沫を防ぐためのものであれば外出先でいろいろな物に触れた手を口や鼻に持っていかないこと、
手をせっけんで丁寧に洗うことがとても大切だとわかります。
また、せっかく着用したマスクであれば外す時には外側に触れないことも大切ですよね。

今回はインフルエンザのことがあったので、マスクを例に取り上げてみました。
些細なことですがこんな風に自分の作業や動きの目的を意識すること、
目的を見失わずもっと自分の生活に支障のない代替方法がないかを考えたりすることは、
日々の暮らしの中の余計なストレスや時間の無駄を減らして、
快適に生活するヒントではないかなあと思っています。

そして、小さなことでも自分にとっての優先事項を考えることは、
もっと大きなライフプランニングへの小さなステップになりえると思うのですがいかがでしょうか。

遺伝カウンセラー　松田圭子