漢方・ヨガ・アロマの部屋

みなさんは食品を選ぶときにどのようなことを気になさいますか？値段だけでなく、産地や新鮮さを確認して安全なものを選びますよね。腐ったものや、わけの わからないものを口にするのは怖いですからね。同じように精油も体内へ取り込まれていくものなのでみなさまには安全で確かなものを使って頂きたいのです。 そうでないと植物本来の力を実感して頂くことも難しくなってしまいます。今回は植物の力が身体の中でどう発揮されているかを、興味深い研究結果を取り上げてわかりやすくご説明致しましょう。

昨年秋に大阪大学の教授らによってグレープフルーツの脂肪燃焼効果についての研究結果が発表されました。TVでもとりあげられていましたのでご存知の方も いらっしゃるかと思います。数年前に資生堂がグレープフルーツの香りの効果を謳ってダイエット向け商品を売り出し、ちょっとしたブームになった事がありま したね。　今回の実験はそれらの効果が初めて科学的に裏付けられたものとなりました。　　実験用ラットにグレープフルーツの精油を10分間嗅がせたとこ ろ、交感神経という活動時に働く神経が活発になり、体温が上昇し脂肪燃焼が進むことがわかりました。

そして逆にラベンダーはリラックス時の副交感神経の働きを促し、正反対の結果が出ました。　・・・と言うとラベンダーは太る！と極端な解釈で敬遠されてしまいそうですが、フローレンス･ナイチンゲールは、戦時下で苦しむ兵士の眉間にラベンダーの精油をつけてベッドを周ったそうですから、ラベンダーの香りは 痛みを和らげ安らぎと生きる力を与える香りである事も忘れないで下さいね。

今回の研究結果は精油が本当に身体への働きかけをしているという証明になり、教授自身もアロマセラピーを信じていなかったので結果には驚いたそうです。　 精油の成分と、香りを嗅いだ刺激によって起こる効果ですが、最も注目すべき事は体内時計が乱れると効果が無くなるという事なのです。　朝目が覚めたら太陽 の光を浴びて昼間活動し夜は休む。この規則正しい生活リズムが香りの効果を生む為に絶対必要なのだそうです。　そろそろ冷たい風の中に春の匂いがしてきますね。　メリハリのある生活とアロマセラピーで心と身体をほぐし一足早くｈａｐｐｙな春に備えてみませんか？

＊執筆＊
アロマケアルーム「ナチュラルフローラ」
ＡＨＣＰ認定プロフェッショナルアロマセラピスト
末永　喜子