英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

漢方・ヨガ・アロマの部屋

はなぶさコラムス

不妊体質の改善の方法の中でも漢方・ヨガ・アロマについて取り上げていくコラムです。 体質改善ページの詳細はこちら

第1回 「漢方薬」について(2004年6月)

私は神戸大学医学部の出身ですが、医学生の頃、漢方薬についての授業は全くありませんでした。当時の医学部はどこでも西洋医学中心の教育で、よほど個人的に漢方に興味がない限り、勉強するきっかけさえありませんでした。
大学を卒業した後、私は母校の産婦人科医局に入局し、研修医となったのですが、このとき妊娠中毒症の患者さんに柴苓湯(サイレイトウ)という漢方薬を先輩医師が処方していたのを見たのが、漢方薬との最初の出会いです。
先輩医師によると、柴苓湯はむくみをとるのにいいらしい、しかし、西洋薬とはちがうので、作用機序(どこにどうきくのか)はわからない。まあ、副作用はあまりなさそうだから君も使ってみれば・・・。
最近は漢方に興味を持つ医師はどんどん増えているようですし、そうした医師の勉強会、研修会もたくさんありますので、私もそういった会に積極的に参加して情報、知識を収集していますが、研修医時代はほんとうに"怪し気な薬"と思っていました。
そんな私が漢方薬のすごさを実感したのは、5年前のこと。当時勤務していたとある市民病院で、38歳の女性が婦人科の検診を希望して外来に来られました。 一見してきゃしゃで、色白で、ほとんど自分からは発言しない、物静かな方でした。近くの医院で漢方薬を処方してもらったら、28歳から止まっていた生理が 10年ぶりにあり、その後また生理が止まっているとのこと。診察してみると、なんと妊娠12週!!10年も生理が止まっていたので、本人は自分が妊娠する とは夢にも思わなかったそうです。その方は、妊娠中はほとんど体重が増えず、子宮口もゆるい感じだったので、体力的に大丈夫か、早産は大丈夫かとこちらは 心配していたのですが、結局、10ヵ月で陣痛がはじまり、なんと2時間くらいで出産されるという超スピードの超安産でした。
あのときの漢方薬が何だったのか、本人に聞いても薬の名前を覚えておらず、処方された医院にまで問い合わせることはしなかったので、わからないのですが、 すごい薬があるものだと思いました。同じ薬を他の人に使っても、漢方の場合は体質(「証」)が合っていなければまったく効果がありませんので、あの時のく すりに固執する必要はないのですが、今でもあの薬の名前を知っておきたかったなぁと思います。

 

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