英ウィメンズクリニック

HANABUSA WOMEN'S CLINIC

胚培養スタッフより

はなぶさコラムス

当院胚培養スタッフからお届けするコラムです。一般の治療ではなかなか見えにくい部分をお届けしています。

胚・精子の国内移送について(2018年9月)

ご主人の転勤や、その他の事情によりクリニックを転院しなくてはならなくなった場合、
凍結保存している検体(胚・精子)はどうすればよいのでしょうか?
遠方から通院することもできますが、なかなか大変な場合が多いかと思います。
そこで、今はさらにもう一つ新たな選択肢があります。
別のクリニックに検体を 運ぶ(移送する) という方法です。
凍結保存されている検体は、専用のタンク内に液体窒素下で管理されていますので、
同じ環境下に検体を維持できれば、物理的に運ぶことは可能なのです。
そこで使用するのが、ドライシッパー という移送専用の容器です。
この容器は、特殊な吸着材で容器内の液体窒素を吸収する構造となっているため、
-150℃以下の超低温で検体を移送することが可能です。
この容器はさらに周りをハードケースで保護されているため、外側からの物理的な衝撃にも強く、耐久性があります。
2018年9月①2018年9月②

図) ドライシッパーとハードケース

と、ここまで説明しましたが、
本当に大丈夫なの??と思われる方は少なくないかもしれません。
当院では、過去に胚・精子あわせて500症例以上の移送を行っていますが、
国内の移送においては、トラブルは発生しておりません。
100%安全とはもちろん言い切れませんが、基本的にほぼ安全と考えて頂いて良いかと思います。
それよりも移送先、あるいは受け入れ先のクリニックとの密な連携を取れるかが重要です。
クリニックによって、凍結・融解の方法や評価法などが異なるため、検体の情報はなくてはならないものです。
今後、転院の予定などがあり、凍結検体が残っている方は、移送を検討されてみても良いかも知れません。
当院の移送は、
他院→当院 or  当院→他院  患者自身で移送 or  業者に委託 など
さまざまなケースに対応しております。ご希望の方は一度診察にてご相談頂ければと思います。
培養部門 主任 片田雄也
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