〜最新技術を用いた治療法1 〜

 Intracytoplasmic morphologically selected sperm injection (IMSI(イムジー))について

通常の顕微授精を行う際、精子の選別は顕微鏡400倍下で行い、良好な運動性と図1のような正常形態を持ちあわせた精子を卵子に注入します。しかし、顕微鏡400倍下の観察で形態良好な精子であっても、なかには図2のように頭部に空胞がある等、通常の倍率では確認できない形態の違いを持つ精子もあります。

IMSIとは、6000倍以上での精子観察を可能とした専用の顕微鏡を用いることで、図2のように精子の頭部の状態などをより詳細に観察し、より良い形態の精子を顕微授精に用いる治療方法のことです。この方法を用いることで、複数回顕微授精を施行しても良い結果が得られていない患者様に対して、胚発生の改善や妊娠率の向上等を期待できると考えております。

 


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〜最新技術を用いた治療法2 〜

OosightTM Imaging System(オーサイト イメージング システム)
を用いた顕微授精について

顕微授精は通常、模式図(左)のように成熟卵子の第一極体を12時もしくは6時の方向にあわせて固定し、3時の方向から精子を注入します。これは核分裂に重要な紡錘体が第一極体の近くに存在することが多く、この紡錘体を傷つけずに精子の注入を行うためです。しかし模式図(右)のように第一極体から離れた位置に存在することがあります。そのような卵子に通常の顕微授精を施行すると紡錘体を傷つけてしまう恐れがあります。紡錘体はOosightTM Imaging Systemを用いることではじめて可視化でき、紡錘体の位置を確認しながらの顕微授精が可能となります。実際、複数回顕微授精を施行しても良い結果が得られていない場合、OosightTM Imaging Systemで紡錘体の位置を確認しながらの顕微授精を行うことで、受精率の向上や胚発生の改善が期待でき、良い結果につながる可能性が高くなります。

成熟した卵子の模式図



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補助孵化療法について

受精卵は、透明帯という蛋白でできた殻に包まれています。この透明帯が厚く硬い為孵化できず、その結果着床しにくい場合があります。このような場合には、移植する前に透明帯を薄く削っておくことで、孵化しやすくすることができます。これを補助孵化療法といいます。当院では、蛋白分解酵素による酵素法(図1)レーザー光照射によるレーザー法(図2)を行っております。この2種類の方法のうちどれが適しているかについては、受精卵の状態によって異なります。実施にあたりましては、受精卵の様子や過去の治療歴を参考に御相談させて頂きます。

 
施行前
 
施行後
 
施行前
 
施行後
図1 酵素法による補助孵化療法
 
図2 レーザー法による補助孵化療法

【凍結胚盤胞を融解する際にお勧めさせて頂いている補助孵化療法

胚盤胞を凍結する際、胚盤胞は、細胞内に水分を多く含んでおり、その水分が、そのまま細胞内で氷ると氷晶を形成し、細胞障害がおこります。現在の凍結方法は、ガラス化法(vitrificatin)を用いて胚盤胞の中の水分を一旦脱水状態にさせてから、凍結保存していくことで、凍結時の細胞障害がおこる可能性が極めて低くなっております。次に上記の方法で凍結された胚盤胞を融解した直後の状態は、多くの胚盤胞は、脱水された状態(図3)にあります。そこで、図のような状態の際は、透明帯部分と中の細胞部分に大きな隙間が出来ており、細胞を傷つけることなくレーザー法で透明帯部分の全体の3分の1を完全に削ってしまう融解直後レーザー法(図4)があります。凍結胚盤胞を融解し移植をさせて頂く際にお勧めさせて頂いております。

 
 

融解直後レーザー施行後

 
融解3時間後
図3 融解直後の胚盤胞
 
図4 融解直後レーザー法

 


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当院では2段階移植法を実施していますが、こちらのページでは
移植された受精卵(胚)のグレード分類について説明させていただきます。

初期分割胚のグレード分類
受精卵は採卵後2日目もしくは3日目に、4細胞〜8細胞に成長しています。
当院では“Veeckの分類”を用いております。
グレードの数字が小さいほど良好胚であり、妊娠の可能性も高くなります。

4細胞
グレード分類
8細胞
グレード1
割球が均等で
フラグメンテーション*がない。
(*細胞の破片のこと。)
グレード2
割球が均等で
フラグメンテーションが
10%以下。
レード3
割球が不均等で
フラグメンテーションが
10%以下。
グレード4
割球が不均等で
フラグメンテーションが
10-50%。
グレード5
割球が不均等で
フラグメンテーションが
50%以上。

胚盤胞のグレード分類
胚盤胞は採卵後5日目もしくは6日目の受精卵(胚)の状態で、
細胞数は200細胞〜300細胞に達しています。
当院では“Gardnerによる分類”を用いております。
初期胚のグレード分類とは異なり
胚盤胞の成長に伴ってグレードの数字が増します。

グレード1
初期胚盤胞。
胞胚腔が
1/2以下。
グレード2
初期胚盤胞。
胞胚腔が
1/2以上。
グレード3
完全胚盤胞。
胞胚腔が全体に
いきわたる。
グレード4
完全胚盤胞。
胞胚腔が全体に
いきわたり、
透明帯が薄くなる。
グレード5
孵化しつつある胚盤胞で
透明帯が薄くなる。
グレード6
孵化した胚盤胞。

グレード3以上の胚盤胞を構成する
内細胞塊と栄養外胚葉の状態から、さらに細かく分類します。

当院では“GardnerとShoolcraftによる
胚盤胞のグレード分類”を用いております。
内細胞塊は、のちに赤ちゃんになる部分で、
栄養外胚葉は、のちに胎盤になる部分です。
内細胞塊、栄養外胚葉ともにABCの3通りに評価され
Aが最も良好となります。

グレード4
 
A
B
C
A
内細胞塊
(inner cell mass)
が密でしっかり
している。
栄養外胚葉
(trophoectoderm)
が細かく均一で
単層。
B
C

胚盤胞期での透明帯除去法

子宮内膜が厚くなりにくい場合や胚の発育が遅い場合、
あるいはグレード良好胚を移植しても
良い結果を得られない場合に行う新しい治療法として
当院では着床を促す目的で移植前に透明帯を全て除去する
透明帯除去法を実施して良好な結果を得ています。


 
 
   
透明帯除去前
薄くなった透明帯に
覆われている
胚盤胞。
透明帯除去処理
透明帯除去後
透明帯が
完全に除去された
状態の胚盤胞。
胚移植

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